北九州市立大学同窓会

HOME > 支部組織 > 戸畑支部 > 支部のご案内

支部組織

戸畑支部

これからの街、戸畑

 昭和38年2月10日、戸畑、小倉、八幡、門司、若松の5市が合併して、北九州市が誕生した。それぞれの市は区となり、人口百万を数える政令指定都市となった。

 戸畑区は、北九州市のほぼ中央に位置し、北九州市を扇形に見た時、その要の所。人口は、約6 万5 千人、面 積16.7km 2 で、そのうち製鉄所をはじめ、洞海湾に隣接 する工場を含め、約57 %が工場用地である。高台にある金比羅公園の展望台から街を見渡すと、高層の煙突の下に広々と広がる工場と、ぎっしりとつまった家並みの二つに区分される。

 大手企業の操業の縮小とそれに加えての少子化によ り、戸畑の人口は減少の道をたどっている。小学校、中学校は統廃合され、閉店に追い込まれた商店の跡地は駐車場になり、まるで櫛の歯が抜けたような家並みとなっ ている。それでも戸畑に住む我々は、これから発展してゆく街と思っている。

 鹿児島本線に乗り、戸畑駅のホームに降りると、真紅 の若戸大橋が目に映る。大橋が完成した時と変わらぬ風景である。だが、駅は西側へ約100m の所に移設され、 平成11 年3 月に開業した。乗降客数が、JR 九州管内10 位の戸畑駅に隣接して、大型小売店が建設され、新駅の開業と同時にオープンした。従業員数1,000 人、駐車能力2,000 台、この店舗の戸畑進出は、戸畑を活性化する核になることは間違いない。

 戸畑の街は、平成10 年から25 年までの短期、中期、長期にわたる15年計画で、まちづくりが計画されている。旧駅の跡地には、13 階建ての仮称・総合福祉プラザが建設される。大橋とは別に新若戸道路が、海底トンネル (2km )で、戸畑と若松が結ばれる。

 住宅、文化、学校、スポーツと未来が楽しみな街であり、緑に包まれた豊かな街に変貌してゆくことだろう。 狭い街であるが、見所や行事を紹介してみよう。緑に包まれた小高い所に北九州市立美術館がある。「公共建築100 選」に選ばれた、この美術館は、年間約40 万人の 入場者があり、常設展としてルノワールの「麦わら帽子を被った女」やエドガー・ドガの「マネとマネ夫人像」、 クロード・モネの「睡蓮柳の反影」、川原田徹の「さざえの浄土」などが人気を集めている。

 美術館を下ると 「ほたるの里」がある。6 月にはほたる祭りも開かれている。そのまま歩いて20 分の所に金比羅公園があり、戸畑の街を展望できる。子供達が、楽しく遊べる場所となっており、キャンプ場もある。 金比羅公園を下りて、国道3 号戸畑バイパスを渡ると、 夜宮公園。ここには国の重要文化財の旧松本家住宅、現在は社団法人西日本工業倶楽部がある。毎年、春と秋に一般公開され、美しい庭と館内を見学することができる。

 夜宮公園内には、忠霊塔、菖蒲園が2 カ所あり、6 月 にはしょうぶ祭りが、区民で構成された各種団体の参加で、にぎやかに開催されている。 公園から歩いて5 分もしない所に、夜宮の大珪化木がある。国指定天然記念物で、この珪化木は国内最大級といわれており、約4000 万年前にできた地層の中に埋もれていて、長さは40m 、直径2.2m といわれている。

 戸畑区の最大の行事は、なんといっても、7 月の第3 週目の金、土、日に行われる戸畑祇園である。戸畑祇園大山笠は、国の重要無形文化財に指定されており、博多祇園山笠、小倉祇園太鼓とともに「福岡県の三大祭り」 といわれている。

 1 台に309 個の提灯が、12 段のピラミッド型に配置さ れた重さ2.5 トンの提灯山笠を、4 本の竿で約100 人の若者が担ぎ、「ヨイトサ、ヨイトサ」の掛け声を、太鼓、鐘の音に合わせながら、4 台の提灯山笠が広場で競演す る。

 広場を埋めつくす10 万を超える観衆から湧きおこる、 拍手と歓声と熱気で、夏の祭典を盛り上げる。戸畑の祭りは勇壮であり華麗である。