北九州市立大学同窓会

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関東支部

第5回 歴史歩こう会

 「歴史歩こう会」が10月11日(日)、4年ぶりに再開された。 前夜から降り始めた雨が午前中まで残っていたが、「歩こう 会」が始まるころにはすっかり上がり、傘の心配なく歩くこ とができた。最初に訪れたのは東洋文庫。ここは、三菱三代 目当主の岩崎久彌が設立したもので、1917年、北京駐在の 「タイムズ」紙記者、モリソンが集めた「モリソン文庫」を購 入。岩崎家にある蔵書を合わせて1924年に「東洋文庫」を設 立した。「東洋文庫」は、東洋学分野での日本最古最大の研究 図書館で、国宝5点、重要文化財7点、現在の所蔵数は100万 冊を超えるとのこと。
 次に東洋文庫のすぐ近くにある「六りく義ぎ 園えん」を訪れた。「六義 園」は、五代将軍・徳川綱吉の側用人、柳沢出羽守吉保(川越 藩主)が元禄15年(1702年)に築造した庭園。「六義」とは、中 国の詩の分類法にならい、古今集の序にある和歌の分類の 六体(そえ歌、かぞえ歌、なぞらえ歌、たとえ歌、ただごと歌、 いわい歌)から名付けられたという。
 残念ながらこの時期、紅葉はまだ見られなかったが、吹上 茶屋から眺める松は竜のようにうねり誠に見事であった。 次に訪れたのは真性寺「江戸六地蔵尊」。江戸深川に住む地 蔵坊「正元」が願主になり、1706〜1720年の14年間で造立さ れた6体のうちの1体がここにある。六地蔵は、普通は6体 で並んでいるのだが、地蔵坊「正元」が造立した六地蔵は、6 街道から江戸に入る場所に置かれた。この真性寺地蔵尊は 中山道の旅人を守る。
 この他、品川寺(東海道)、太宗寺(甲州街道)、東禅寺(奥州街 道)、霊巌寺(水戸街道)、永代寺(千葉街道。ここは明治の廃仏 毀釈で失われた)の地蔵尊が旅人を守る。巣鴨のお地蔵様と言 えば高岩寺の「とげぬき地蔵尊」です。体の痛みを取り除いて くださる有難いお地蔵様で、当日も沢山のお参りする人で賑 わっていた。
 続いて訪れたのは染井霊園。ここに高村光太郎と智恵子 が仲良く眠っている。智恵子を慕う愛の詩「千恵子抄」を 作った光太郎に静かに手を合わせた。光太郎の父である著 名な仏師・高村光雲も同じ墓に眠っている。最後に訪れたの は慈眼寺。ここには谷崎潤一郎と芥川龍之介という二人の 文豪が眠っているが、二人の墓にはいつ訪れても生花が絶 えることが無いという。多くの読者ファンを持つこの二人 に手を合わせて、今回の歩こう会を締めくくった。次回は来 春に開催予定です。

参加者(敬称略)
大工原忠雄(S35・米英)、阿部昌幸(S39・商)、浜道重章(S42・米英)、児森進作 (S42・商)、森光盡一郎(S49・中国)

森光盡一郎(S49・中国)

北友会会報第113号(平成27年12月25日発行)掲載