北九州市立大学同窓会

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関西支部

第17回コスモス会の報告

 2010年2月21日(日)に定例のコスモス会が新大阪ワシントンホテルプラザ23Fのチャイナテーブルで10名の女性たちが集い開催されました。今回は大道久美子さん(S45・英)から、「A少年について」そして「家庭を考える」というテーマでお話がありました。大道さんは、8年余りボランテアで介護司として青少年と関わり、暖かい手を差し伸べ、社会へ復帰できるよう真心で、取り組んでおられるのに、頭が下がります。

 A少年の例をあげて、より分かり易く話して下さいました。未成年の間に生まれたA少年は祖父母に引き取られ育てられる。若い両親は離婚して、それぞれ再婚して新たな家族を持ったため、暖かい親の愛情を知ることなく孤独な少年時代を過ごす。卒業後仕事につくが、小中学校で基礎力を身につけることができなかったため、望む仕事につくことができず、長時間低賃金のつらい生活に嫌気をさして、罪を犯す。保護観察中、指導相談にの
り愛情を持って接する事により、少年は更生して、今は新しい職場で頑張っています。
 その反対に、エリートの両親の元で、3人兄弟の次男が、優秀な兄へのコンプレックスと、親の関心を引くために非行に走る。両親は、世間体を気にして暖かい愛情と包容力がなく、罪を犯した息子を家族の中に受け容れることができない。少年が、更生して出てきても、帰る安らぎの家庭がないため、また犯罪への道へと行くケース。保護司として、一生懸命少年のためにしても、親の姿勢に問題あれば、少年を正しく指導するのは、難しいという例の一つです。

 奈良刑務所の資料を参考に、少年達の現状を説明していただき、問題山積の事や、受け容れる社会の問題など、考えさせられました。
 青少年の犯罪の背景には、社会、教育、家庭の問題など、いろいろあげられるでしょうが、その中でも大きな原因の一つとして、家庭にあるのでは。特に母親の愛情そして暖かい家族の愛情の欠如にあるのではと思いました。結婚しない女性が増えていること、少子化の問題、その一方簡単に結婚、離婚によって、子供たちが犠牲になっている。近年、女性の社会進出、貢献は素晴らしいことですが、結婚、出産、子育て、良い家庭を作るという大事な役割があることを、今一度再認識する必要があるのではと思います。

 参加者の内、半数は新しいメンバーと久し振りの方で、年令問わず活発に意見を交換しました。先輩からは懐かしい学生時代の北九大の話を、また本部の上野明子さんから、最新の大学の情報を聞き、長くご無沙汰していた大学への関心がよみがえりました。また、ボランテイアで国際貢献しておられる方、主婦の友の会に所属して地域で活躍されている方から、今年創立80周年を迎え「よい家庭からよい社会をつくるため」をモットーに全国で活動しておられる多くの方がいるのを知りました。海外旅行の話から、世界の貧富の差の問題へと、話がはずみ時間を忘れるくらいでした。皆さん、元気を貰って解散しました。
来年も明るく元気で楽しいコスモス会を企画して、多数のご参加を期待しています。

中野秀子(S44・米英)